専門外来:泌尿器科
泌尿器科とは
泌尿器科は尿の通り道(腎臓、尿管、膀胱など)や男性器(前立腺、精巣など)の病気に対して、内科的治療や外科的治療を行う診療科です。
泌尿器科で診る一般的な病気
前立腺肥大症・前立腺癌・腎盂腎炎・過活動膀胱・膀胱癌・膀胱炎・尿道炎・尿路感染症・頻尿・尿失禁・尿路結石・性行為感染症(梅毒、淋病、クラミジア尿道炎、尖形コンジロームなど)などがあります。
泌尿器科系の主な症状
血尿(けつにょう)

腎臓や尿管、尿道、膀胱などの部位から出血があり、尿中に血液が混ざっている状態です。少量の出血の場合、尿の外観上は正常と変わりなく、尿の詳しい検査で尿中に赤血球を認めることがあります。
これに対して、多量の出血の場合は外観で尿中に血液が認められますが、血尿を認める場合には、腎臓から膀胱までの臓器の病気を疑います。泌尿器科領域では腫瘍、尿路結石、感染症、嚢胞性腎疾患、外傷、血管異常、奇形、腎下垂などがあります。
排尿痛(はいにょうつう)
排尿時に尿道あるいは膀胱部に焼き付くように感じ、疼痛を伴います。 これは膀胱から尿道に起こる炎症性の病気に特有の症状であります。頻尿などの他の症状を合併することも多々あります。また、急性尿道炎、膀胱炎や前立腺炎などが考えられます。
頻尿(ひんにょう)
排尿の回数が多くなることです。普通の場合、1日の排尿回数が10回を越えるものを 頻尿と呼びます。50歳以上の男性の場合には、前立腺肥大症が原因となることが多いようです。また、尿意切迫感(にょういせっぱくかん)といって、急いでトイレに行かないと間に合わないといった状態になることもあります。
残尿感(ざんにょうかん)
排尿後に尿が排尿されずに残っている様な不快感に感じることです。50歳以上の男性の場合は、前立腺肥大症が、女性の場合は急性膀胱炎による原因が多いようです。
排尿困難(はいにょうこんなん)
排尿時に力まないと尿が出ない又は出にくい状態のことをいいます。男性の場合、前立腺肥大症や前立腺癌、神経因性膀胱などが考えられます。 女性の場合には、神経因性膀胱などが考えられます。
尿が出ない(尿閉[にょうへい]・乏尿[ぼうにょう]・無尿[むにょう])
膀胱内の尿を排出できない状態のことを尿閉といいます。 1日の尿量が極端に減少した状態で、1日に400ml以下を乏尿、1日に100ml以下を無尿といいます。乏尿、無尿には腎臓が関与した病気の場合が多く、この状態が継続すると腎不全に至ることがあります。
尿失禁(にょうしっきん)
意図せずに排尿してしまうことです。トイレが間に合わず漏れてしまったり、咳やくしゃみをすると尿が漏れることがあります。腹部に力が入ったときに尿が漏れる腹圧性尿失禁などがあります。年のせいだと諦めずに泌尿器科を受診ください。
尿がにごる(膿尿[のうにょう])

尿が濁ることを尿混濁(にょうこんだく)と言います。尿は通常、黄白色で少しばかりの混濁を示します。尿が濁っているからといって、必ずしも病気というわけではありませんが、尿路の炎症が原因である場合もあります。男性の場合は尿道炎、女性の場合は、膀胱炎が原因となることが多くあり

接触式レーザー前立腺蒸散術
最適な前立腺肥大症に対する治療法。前立腺を「切る」から「蒸散して消失させる」時代へ。
接触式レーザー前立腺蒸散術とは?
接触式レーザー前立腺蒸散術(Contactlaser Vaporization of the Prostate)は、CVP(シーブイピー)という術式名称で呼ばれています。
前立腺組織に光ファイバーを直接接触させて、レーザーを照射することで、組織を気化・蒸散し、肥大した前立腺組織を急速に消失させる手術方法です。

CVP装置

尿道から膀胱内視鏡と光ファイバーを挿入し、レーザーを照射して尿道を広げていきます。
接触式レーザー前立腺蒸散術のメリットは?
- 出血がほとんどなく、身体への負担が少ない。細い膀胱内視鏡かつ小さいアクションで手術が可能。出血が少ない手術のため、手術時間、入院期間が短く、早期の社会復帰が可能。
- ラサラ薬(抗血栓薬)を休薬する必要がない。出血が少なく、サラサラ薬(抗血栓薬)を飲んでいても、内服を中止することなく手術が可能なため、手術前後の血栓症リスクを低減できる。
- 手術後の尿失禁リスクを低減できる。尿もれを抑制する機能を持つ括約筋への負担を軽減できる手術のため、尿失禁リスクへの心配が少ない。※術後、一時的に痛みや尿閉の症状が出る事があります。
資料提供:株式会社インテグラル
次の症状のある方はまずご相談を!
- おしっこに勢いがなく、排尿に時間がかかる。
- おしっこに行く回数が増えている。
- 最近、夜中に頻繁にトイレにいくようになった。
よくあるご質問
手術時間は、約30~60分です。入院期間は、約4~5日間です。
CVP手術は健康保険適用です。3割負担の方で12~15万円程度です。これは、治療費のみの目安の金額となります。詳細の金額については当院へご確認下さい。
これまでの前立腺肥大症症手術で使っていたものよりも、より細い内視鏡を使い、尿道カテーテルも短期間で抜去できるので、他の手術よりも術後の痛みは少ないと報告されています。
性機能への影響は少ないと報告されており、実際に50代の患者さんの中には、手術後に自然妊娠に至った方もいらっしゃいます。
術後3か月~6ヶ月で尿の勢いや頻尿などの症状が改善されると報告されています。