循環器内科のご案内

心臓や血管という、生命に直結する臓器を守る「循環器内科」。毅峰会吉田病院では、「より迅速に」「より的確に」「より安心できる治療と環境を提供する」ために循環器内科として、多様な心臓、全身の血管の診断と治療を行っております。

心臓や全身の血管の病気でお困りの際や、胸が痛む、苦しい、息切れがする等の症状がある場合は是非お越しください。

循環器内科と関係する病気の症状

胸が痛む・胸が苦しい

胸の真ん中からみぞおちにかけて、圧迫感や痛みを感ずるなどの症状があるときには、心筋へ酸素を送る血管が詰まりかけているのかもしれません。冷や汗を伴って強い症状が長く続く場合は「急性心筋梗塞」の可能性があります。重いものを持って歩いたり、階段を上ったりしたときに症状が出るときは「狭心症」を考えます。

当院では詰まりかけた血管を再開通させる「カテーテル治療」の専門医が在籍しており、良好な成績を上げています。

息が苦しい・息切れがする

坂道や会談ですぐに息切れがする、夜中に息が苦しくなる、などの症状は「心不全」が原因かもしれません。「心不全」は心臓から十分に血液が送り出せなくなっている状態ですので、心臓を楽にしてあげる治療が必要です。

「心不全」はさまざまな心臓の病気が原因でおこりますので、その原因を突き止めて、最善の治療を選択することが必要です。

ドキドキする

動悸には、時々「どきん」とするものと急に脈が速くなって「ドキドキ」するものに分けられます。「どきん」とするタイプは「期外収縮」という不整脈の可能性が高いと考えられます。「期外収縮」は治療の必要がない場合が多いのですが、ご心配の場合にはご相談ください。

急にひどい動悸を感ずるときは、脈が速くなる「発作性頻拍症」の可能性があります。「発作性頻拍症」は心筋の中を通る電気信号の伝わり方の異常が原因です。「発作性頻拍症」にも数種類があり、タイプによって治療方法が異なりますので、医師とご相談ください。

「発作性頻拍症」に対しては、「薬物治療」のほかに「カテーテルアブレーション」と呼ばれる、カテーテルを用いて異常な電気の通り道を遮断する治療が行われています。当院ではこれらの治療も行っていますのでご相談ください。

ふらっとする・失神する

めまいや失神は心臓の不整脈が原因のことがあります。心筋を収縮させるための電気信号を出す部分の異常や、電気信号の通り道が途切れたりすることにより、「脈が極端に遅くなる」ことが原因です。これらの不整脈には必要に応じて「永久ペースメーカー留置手術」が行われます。当院ではこれらの治療も行っていますのでご相談ください。

当院における心臓CT・心臓超音波検査・運動負荷試験の運用の特徴

当院では心臓CT、心臓超音波検査、運動負荷試験に関しまして、患者さんの待ち時間を極力減らすために当日の検査終了後1~2時間お待ち頂ければ結果説明までさせて頂いております。尚、予約なしでも当日の受診が可能です

心臓CT

マルチスライスCTは、数秒のうちに人体の多数の断層画像データを得られるため、動いている臓器でも鮮明な断層画像が撮れるようになりました。動いている代表的な臓器が心臓です。

心臓カテーテル検査では、患者さんに少なからぬ侵襲と肉体的負担を与えてしまいますが、患者さんに優しい低侵襲の冠動脈検査を実現したのがマルチスライスCTで、治療方針を立てるのに不可欠な情報がすみやかに得られます。

心臓カテーテル検査と同じように造影剤を用いるものの、手の静脈から点滴投与するだけで、動脈にカテーテルを挿入するわけではないので、検査に伴う動脈の損傷や出血、血栓などの合併症の危険はほとんどありません。検査後の特別な止血や安静なども不要となり、その日のうちに帰宅できます。

マルチスライスCTは心臓の冠動脈の検査にもっとも威力を発揮しますが、大動脈や腹部、頭頸部、下肢など全身の血管の検査にも役立ちます。費用も心臓カテーテル検査よりも安いので、狭心症のスクリーニングの診断目的であれば、マルチスライスCTを推奨します。

心臓超音波検査

心臓超音波検査は、心エコーと呼ばれることもあります。機械から超音波と呼ばれる高い周波数の音を出し、その反射で臓器の形や質を見る検査方法です。さらにこの心臓超音波検査では、心臓の中を動く血液の流れも見ることができます。レントゲン撮影と異なり被曝することがないため、繰り返し検査しても体への悪影響がない安心な検査方法です。

心臓超音波検査の目的は2つあります。1つは心臓の形態を見るものです。心臓のそれぞれの部位(心房・心室)の大きさや壁の厚さ、弁の形などを見ます。2つ目は心臓の働きを見るものです。心臓は全身へ血液を送り出し、全身からかえってきた血液を受け取ります。また別に肺に血液を送り、酸素をいっぱい含んだ血液を受け取ります。この心臓のポンプ機能が不十分となるのが「心不全」になります。

心臓超音波検査でわかる病気

心筋梗塞

心臓の壁の動きを見ます。心筋梗塞を起こした部位は他の部位と比べて動きが悪くなっています。また、心筋梗塞を発症してから時間がたつと、壁が薄くなるといった変化を確認することもあります。

弁膜症

心臓には4つの部屋があり、それぞれに血液が逆流しないようにするための弁がついています。この弁がうまく動かないのが弁膜症と呼ばれる病気です。

この弁膜症には血液が逆流するものと、弁が開きにくくなる狭窄があります。弁膜症の方には、カラードップラー法と呼ばれる検査方法で血液の向きを確認、また血流の速度を測定することで、軽度から重度といった弁膜症の程度を評価することができます。

心不全

心臓のポンプ機能が落ちている状態です。血液を送り出せない部分に血液が溜まるため、心臓の大きさが大きくなります。今日ではポンプ機能は低下していないものの、心臓の拡張する力が低下する「拡張不全」も心不全に数えられます。こちらもその程度を知ることができます。

心筋症

心筋症にはいくつか種類があります。そのなかで代表的なものは、肥大型心筋症と拡張型心筋症です。肥大型は心臓の壁が分厚くなり、場所によってはそのことで血流が妨げられます。拡張型は心臓の筋肉の力が低下してポンプ機能も低下し、それを補うために心臓が大きく変化するもので、徐々に進行しやすい病気です。また心臓の筋肉が厚くなる原因で一番多いものは高血圧によるものです。こちらも計測して知ることができます。

先天性心疾患

生まれつき心臓に形態異常がある場合も、超音波検査でわかります。代表的なものは心房中隔欠損症や心室中隔欠損症といった、心臓の中を分けている壁に穴が開いている病気です。この場合は通常見られない血流の流れが超音波で見られます。

運動負荷試験(エルゴメーター)

自転車エルゴメーター負荷試験とは、あらかじめ心電図や血圧計を装着したうえで運動を行う負荷試験です。

自転車エルゴメーターは床に固定した自転車をこぎます。危険がない範囲で出来るだけ多くの負荷を加えるように負荷量を定めます。また負荷中も脈拍、呼吸、血圧、心電図などがモニターされていますので、安全性も診断精度も運動負荷試験の中では優れていると言えます。

検査の目的としては、狭心症の診断、冠動脈疾患の重症度および予後の判定、抗狭心症薬の効果判定、心疾患患者の運動耐容能と重症度の評価、心疾患患者のリハビリテーション、不整脈の診断と評価、高血圧の重症度および予後評価などが挙げられます。

循環器内科の手術・検査症例

経皮的冠動脈形成術 〜PCI〜

狭心症や不安定狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患の患者さんに経皮的冠動脈形成術(けいひてきかんどうみゃくけいせいじゅつ)PCI治療を行います。

動脈硬化などが原因で血液の中の脂肪やコレステロールが固まり、血管の内側にこびりついて血管が細くなり血液の流れを悪くします。心臓へ流れる血液が不足すると狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患になり、胸が痛いなどの症状がでたり、重症になると命に関わる危険性も出てきます。

手術方法は、心臓に血液を供給している冠動脈が細くなっているところに、カテーテルと呼ばれる細長い管を挿入して血管を押し拡げ、血流を流れをよくします。

1

詰まって狭くなった血管にバルーンカテーテル挿入

2

バルーンカテーテル拡張し血管を広げる

3

血管部分が再び狭くならないようにステントを残し、バルーンを抜く。血液の流れがよくなる。

方向性冠動脈粥腫(じゅくしゅ)切除術 〜DCA〜

冠動脈がプラークと呼ばれるコレステロール成分が長年蓄積され、高度石灰化病変となり狭窄(きょうさく)に至った場合には、通常のバルーン治療では拡張が極めて困難となります。そこで、カテーテルの先端に小型ドリルがついており、1分間に17〜20万回転という高速で冠動脈の中で回転し、石灰化病変を切削し、血管内の詰まった部分を体外へ取り出す治療法です。

経皮的心筋焼灼(しょうしゃく)術 〜心臓カテーテルアブレーション〜

不整脈の代表的な治療方法である経皮的心筋焼灼術(心臓カテーテルアブレーション治療)とは、太ももの付け根からカテーテルという直径2mm程度の細い管を、血管を通じて心臓に挿入し、不整脈を起こす原因となっているところに、カテーテル先端から高周波電流を流して焼灼(焼いて治療すること)することで不整脈を治療します。

ペースメーカー植込み術

徐脈性不整脈に対する治療として、心臓に電気刺激を送り、脈が正常より遅い時に、心臓の脈拍数を正常範囲内に増やす機械です。右か左の鎖骨下の皮下に500円玉より少し大きいぐらいの大きさの電池を埋め込んで、ここから繋がった電線を、鎖骨下静脈経由で心臓内に留置します。